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『ゴジラvsコング』の監督を務めるアダム・ウィンガードによれば、日米二大怪獣が正面対決するモンスターバース最新作では、過去作とは異なり確実な勝者が存在するという。「これで勝敗が決まります。(中略)片方が勝つ。それだけです」

オンラインイベント「IGN Fan Fest 2021」に出演したウィンガード監督は、自身の作品ががそれぞれの怪獣の「正当な」バージョン同士の対決と感じられるようにしたいと考えており、「どちらが勝つか」という問いに確実な答えを提供すると述べた。このアプローチを選んだ理由のひとつには、1962年の『キングコング対ゴジラ』がはっきりとした答えを示さなかったことがあるという。

「オリジナルの『キングコング対ゴジラ』といえば、子供の頃によく友達と『結局ゴジラとキングコングが戦ったらどっちが勝つんだろう』と話し合ったことを思い出します。というのも、あの作品には明白な勝者がいないからです。いわば引き分けなんですね。どちらかが勝ったのかは明白ではなく、曖昧にされています」

ウィンガードは最新作ではそのような曖昧さは存在しないと強調している。「本当の対戦のようにしたいのです。視聴者には確実な答えを渡して終わりたい。議論の余地もないくらい、はっきりとさせたかった。これで勝敗が決まります。もう議論する必要はありません。この映画にはゴジラがいて、キングコングがいて、思い切り殴り合って、片方が勝つ。それだけです」

さらにウィンガード監督は、ゴジラとキング・コングの「決定版」を登場させることで最終決戦にある程度の信憑性をもたせたいとも話している。この点は監督が初代『キングコング対ゴジラ』や、ザック・スナイダー監督の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で消化不良だった部分だという。

「(初代『キングコング対ゴジラ』での)問題は――同じく対決映画の『バットマン vs スーパーマン』でも似たような問題がありましたが――、あの時点のキングコングはストップモーションのキャラクターだったということです。
それが我々が知っているキングコングの見た目でした。そしてご存知の通り、70年代になるとリック・ベイカー版が登場し、そこから先の基準になります。しかし、それでも比較的オリジナルに近い姿だったのですが、東宝版のキングコングは我々にとってまったく馴染みのない姿でした。我々は着ぐるみの姿を初めて目にし、それはどのバージョンとも違っていました。ですから、たとえ勝者がいたとしても、“キングコング対ゴジラ”の決定戦と感じられなかったのです」

「それが本作を手がけるにあたり、考えたことのひとつです。そして『バットマン vs スーパーマン』のことも浮かびました。あれも似たような状況で、我々はクリストファー・ノーラン監督の三部作で決定版のバットマンを、クリスチャン・ベールの姿で目にしているわけです。我々にとっては『ダークナイト ライジング』が最後に観たバットマン映画で、ベン・アフレック版のバットマンを目にしたのは『バットマン vs スーパーマン』が初めてでした。
同作はザック・スナイダーのユニバースに存在し、それはノーラン版とはまったく違う世界です。これはあくまで個人の意見ですが、あの作品で不満だったのは基本的なスタイルのレベルで『これは別のバットマンだな』と感じてしまったことなんです。
ですから正当な“バットマン対スーパーマン”とは感じられませんでした」

『ゴジラvsコング』の真のヴィランが誰なのかはわからないが、ウィンガード監督はキング・コングがベビーフェイス(プロレスで善玉として振る舞う役のこと)であるに対し、ゴジラはヒール役(プロレスの悪玉役)だと明かしている。

「ネタバレはしませんが、本作ではゴジラが見たこともないようなことをし、それぞれの怪獣が異なる行動を取る姿を目にするでしょう。
ですから、楽しいサプライズがたくさんあります。というのも本作のゴジラはヒール役なんです。予告編を見ればわかると思いますが、彼は色々な問題を引き起こしています。
ゴジラが問題を起こすということは、あちこちを破壊しまくり、大混乱を引き起こしているということです。監督として最高に楽しかったですね。いちばん楽しかったのはお行儀の悪いゴジラを動かし、カオスを巻き起こすことでした」

そして、本作のPG-13(13歳未満の鑑賞には、保護者の同意が必要)のレイティングを気にしている人には朗報だ。ウィンガード監督はホラー畑で培った要素を本作にも取り入れていると話している。「自分で止めようとしても、それは自然とにじみ出てしまうものだと思います。本作は私にとって初めてのPG-13映画ですが、ゴア描写は確実にありますよ」
IGN Japan
https://jp.ign.com/godzilla-vs-kong/50393/news/vs



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